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飲食店の口コミ返信の例文味への低評価に、謝らずに受ける書き

口コミへの返信 レビューデスク 渡辺 真也

飲食店から届く相談で、いちばん多いのがこれです。

味のことを書かれると、どう返していいか分かりません。謝るのも違う気がして、そのままにしています。

先に結論を書きます。味への低評価は、謝る場所ではありません。受けるだけの場所です。

「お口に合わず申し訳ありません」と書くと、自分の店の味を自分で否定したことになります。かといって「うちの味はこうです」と説明すれば、言い返したように読まれます。謝るでも反論するでもない、третの返し方が要ります。

この記事では、その型と例文をまとめます。飲食店の返信は、業種の中でもいちばん自由に書けるのに、味の一件だけが例外的に難しいという構造をしています。

飲食店の口コミ返信は、何が他の業種と違うのか

違いは3つです。ここを押さえると、あとは書きやすい業種です。

飲食店の返信が、他の業種と違う3点

いちばん扱いにくいのは1つ目です。

美容室なら「お直しいたします」と言えます。整体なら「様子を見ながら」と言えます。飲食店の味は、直すと別の店になります。 濃い味を求める人と薄い味を求める人が同じ店に来て、同じ料理に別の評価を付けます。どちらかに合わせれば、もう一方が離れます。

だから、味への低評価に対して店ができるのは 「そういう感じ方があったことを受け止める」ところまで です。ここを分かっていないと、返信が謝罪か反論のどちらかに寄ります。

2つ目も飲食店に特有です。金曜の夜21時に来た人と、火曜の14時に来た人では、同じ店とは思えないほど体験が違います。 低評価が混雑時に偏っているなら、それは味の問題ではなく、その時間帯の回し方の問題です。数字の見方は最後の章に書きます。

レビューデスク

飲食店は、店主が自分の言葉で返信して、いちばん効く業種です。クリニックのように削る必要がありません。ただし、その自由さがそのまま「言い返してしまう自由」にもなります。書ける範囲が広いぶん、決めごとを先に作っておいてください。

返信を書く前に決めておく3つのこと

例文に入る前に、店で決めることがあります。ここを決めずに書き始めると、書いた日の機嫌で返信の温度が変わります。

決めるのは3つです。

  1. 書く人を決める … 店主か、店長か。日によって変えない
  2. 返信する範囲を決める … 全件か、低評価だけか。途中で変えない
  3. 書かない言い回しを先に決める … 紙にして、書く場所に置く

2つ目は、全件をおすすめします。 星5にだけ返信して星1を放置すると、返信の付いていない口コミだけが浮き上がります。読む人はそこを読みます。

3つ目が、この記事でいちばん役に立つところです。飲食店で「つい書いてしまう」文を並べます。

書きたくなるが、書かない文 なぜ書かないか
お口に合わず申し訳ございませんでした 自店の味を、自分で否定した形になります
その日は混雑しており、通常はお待たせしません 言い訳に読まれます。読む人には混む店だと伝わるだけです
そのようなご注文はいただいておりません 事実の否定です。公開の場に争いが残ります
ご来店は◯月◯日でしょうか 投稿者が誰かを、店側が特定しにいっています
次回、1品サービスさせていただきます 公開の場で見返りを出す形になります
当店の味は創業以来変えておりません 正しくても、反論として読まれます

5つ目は善意でやってしまうところです。不満のあったお客様を取り返したい気持ちは自然ですが、公開の場に書くと、他の人にも同じ条件を出したことになります。 埋め合わせの話は、公開されない場所でしてください。

返信のトーンと署名、低評価の通知を設定する画面

口調と署名は、一度決めたら毎回同じものを使います。レビューデスクでは、店舗ごとに1回登録しておく形にしています。返信のたびに考え直さないための仕組みです。AIに下書きを作らせるなら、上の6つをそのまま「書かせない語」として登録してください。詳しくは口コミ返信をAIで書くときの線引きに書いてあります。

飲食店の口コミ返信の例文① 星5・星4に返す

良い口コミへの返信は、3〜4行で足ります。 長くする必要はありません。

型はこの順番です。

  1. 来店と投稿への感謝
  2. 書かれた料理か場面を、1つだけ拾う
  3. 次に来やすくなる一言

2つ目が飲食店ならではのところです。クリニックと違い、具体的に拾ったほうが良くなります。 「唐揚げ」と書かれていたら「唐揚げ」と返してください。ここを避けると、どの店にも当てはまる文になります。

料理をほめられた口コミに

ご来店とご投稿、ありがとうございます。
唐揚げを気に入っていただけて、揚げ場の者が喜んでおりました。
仕込みの日によって味が乗る日がありますので、
またその日に当たっていただけたらうれしいです。

「揚げ場の者」「仕込み」のように、店の中の言葉を1つ入れてください。 これがあると、テンプレートに見えなくなります。

接客をほめられた口コミに

ご来店とご投稿、ありがとうございます。
スタッフの対応にお言葉をいただき、本人に伝えました。
うれしそうにしておりました。またお待ちしております。

名前が書かれていても、返信では名前を出さないでください。 「本人」で足ります。指名されて悪い気はしませんが、公開の場に置くと、その日そのシフトに誰がいたかを店が確定させたことになります。

常連さんからの口コミに

いつもありがとうございます。
お名前は出しませんが、どなたかは分かっております。
これからもお変わりなくお待ちしております。

常連さんの口コミは、「いつも」で受けてください。 新規のお客様と同じ「ご来店ありがとうございます」で返すと、通っていることが伝わっていないと受け取られます。

写真付きの口コミに

料理の写真が付いた口コミは、飲食店だけに届くものです。写真そのものに一言触れてください。

ご投稿ありがとうございます。写真もありがとうございます。
盛り付けた者が見て、照れておりました。
レビューデスク

星5への返信は、全部を違う文にしなくて構いません。 ただし、同じ書き出しが3件続いたら1件だけ変えてください。1件ずつ読めば自然でも、一覧で並ぶと同じ文が続いているのが見えます。

飲食店の口コミ返信の例文② 味への低評価に返す

ここが本題です。謝らない。反論しない。受けるだけ。 この3つで書きます。

順番はこうです。

味への低評価に返すときの3つの順番

3つ目は入れなくても成立します。ただし入れると、読んだ他のお客様に、その店の考え方が伝わります。 1行だけにしてください。2行になると言い訳に変わります。

「味が薄い」「味が濃い」に

ご来店とご意見、ありがとうございます。
物足りなくお感じになったとのこと、率直にお書きいただき助かります。
出汁の塩気は控えめに合わせておりますので、
次の機会があれば、卓上のものでお好みに寄せていただけますと幸いです。

「申し訳ございません」が1つも入っていません。代わりに「率直にお書きいただき助かります」で受けています。 これが、謝らずに受ける言い方です。

そして最後に、その場で直せる方法を渡しています。卓上の調味料、辛さの調整、追加の出汁。飲食店にはこの逃げ道があります。使ってください。

「まずい」「二度と行かない」だけの口コミに

理由が書かれていない低評価も届きます。ここは短くします。

ご来店ありがとうございました。
ご期待に沿えず、残念に思っております。
お気づきの点がありましたら、店頭でお聞かせいただけますと幸いです。

推測して謝らないでください。 「お口に合わなかったようで」と書いて、実は接客の話だった場合、的外れな返信がずっと残ります。理由が分からないときは、聞く形で止めます。

「値段の割に量が少ない」に

ご来店とご意見、ありがとうございます。
ご期待の量に届かず、残念な思いをさせてしまいました。
仕入れの状況で盛りが前後することがございますので、
気になる際は、ご注文のときにお申し付けください。

価格そのものの説明はしないでください。 「原価が上がっており」と書くと、値段の交渉をしているように読まれます。触れるのは量だけにします。

やってしまいがちな、悪い例と直し

(危ない返信)
当店の味付けは創業から変えておりません。
多くのお客様からご好評をいただいております。
お口に合わなかったようで残念です。

3行すべてが反論になっています。1行目は「あなたが少数派だ」、2行目も同じ、3行目は突き放しています。

(直したもの)
ご来店とご意見、ありがとうございます。
お口に合わせきれず、残念に思っております。
味の好みは分かれるところですので、率直なお声は助かります。

「合わなかった」ではなく「合わせきれず」にしています。 主語が店側になるので、突き放した感じが消えます。1語の違いですが、読む人には別の店に見えます。

渡辺

代行に入るとき、味への低評価だけは、その日のうちに返信しません。 一晩置きます。他の口コミは当日に返しますが、これだけは翌朝に回します。

理由は単純で、味を否定されたときの返信は、書いた本人には反論に見えないからです。読み返して初めて分かります。急いで返して得することが、この一件だけは何もありません。

例文③ 接客・待ち時間・異物への低評価に返す

味以外の低評価は、味より書きやすいです。こちらは、謝ってよいところだからです。

低評価への返信の基本の型は業種を問わず同じなので、低評価の口コミへの返信、例文つきにまとめてあります。ここでは、飲食店で特に多いものだけを書きます。

接客・態度への不満に

ご来店とご指摘、ありがとうございます。
不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。
いただいた内容は、朝礼で全員に共有いたします。

「すでに指導いたしました」と過去形で書かないでください。 まだしていなければ嘘になり、していても次に同じ指摘が来たときに嘘だったことになります。「共有します」で止めます。

待ち時間・提供の遅さへの不満に

ご来店とご指摘、ありがとうございます。
お待たせしてしまい、失礼いたしました。
ご注文の受け方と厨房の順番を、あらためて見直します。

混雑を理由に書かないでください。 「その日は満席で」と書いた瞬間に、言い訳の返信になります。読む人には「行くと待たされる店」という情報だけが残ります。

数字も書かないでください。「◯分以内にお出しします」と公開の場に書くと、次に超えたときにその返信が証拠として残ります。

席・喫煙・子連れなど、店の方針への不満に

方針は、謝る話ではありません。説明する話です。

ご来店とご意見、ありがとうございます。
カウンター席のみのため、ご不便をおかけしました。
店の広さの都合でこの形をとっております。
お席の状況は、お電話でもお伝えできます。

謝るのは不便をかけたことだけです。方針そのものは謝りません。 謝ってしまうと、次から同じ指摘が来るたびに方針を曲げる話になります。

異物・体調不良の口コミは、返信の前に止める

ここだけは扱いが違います。返信を書く前に、店の中でやることがあります。

気をつけること

異物や、食後の体調不良に触れた口コミには、その場で返信しないでください。 先に、いつ・どの料理か店内で確認します。体調不良の訴えがある場合は、保健所への連絡が要ることもあります。公開の場でのやり取りは、そのあとです。

返信するときも、内容には踏み込みません。

ご投稿を拝見しました。ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。
店内で確認のうえ、対応いたします。
恐れ入りますが、店舗までご連絡をいただけますでしょうか。

「そのような事実は確認できておりません」と書かないでください。 事実関係を公開の場で争う形になり、読んだ人には、どちらが正しいかではなく「揉めている店」としてだけ残ります。

明らかに来店していない人の投稿や、事実無根の書き込みについては、返信より先に報告を検討してください。消せるものと消せないものの線引きは、Google口コミの削除方法に書いてあります。「事実と違う」というだけでは消えません。 消えなかった場合に備えて、返信は用意しておいてください。

居酒屋・ラーメン・カフェ・焼肉で、返し方が変わるところ

同じ飲食店でも、届く低評価の種類が違います。自分の業態のところだけ読んでください。

居酒屋・ダイニングバー

多いのは接客と、隣の席の騒がしさです。

隣客への不満は、店の落ち度と言い切れないものです。それでも「他のお客様のことですので」と書かないでください。受けるのは、店内の環境を整えるのが店の仕事だからです。

ご来店とご意見、ありがとうございます。
ゆっくりお過ごしいただけず、失礼いたしました。
店内の様子には、これまで以上に目を配ってまいります。

ラーメン店・定食屋

ここは味への低評価がいちばん多い業態です。濃さ、麺の硬さ、油の量。好みが細かく分かれます。

だからこそ、その場で調整できることを返信に書く価値があります。

ご来店とご意見、ありがとうございます。
重くお感じになったとのこと、お書きいただき助かります。
油の量と麺の硬さは、ご注文のときにお申し付けいただけます。

「お申し付けいただけます」は、投稿者ではなく、読んでいる人に効きます。 同じことを気にしていた人が、行ってみようと思える一文になります。

カフェ・喫茶店

多いのは滞在時間と、席の使い方です。長居を断られた、電源がない、といった内容が届きます。

方針は謝らずに説明します。ただし、方針を書いていない店ほど、この低評価が届きます。 返信で説明するより先に、席の使い方をプロフィールや店頭に書いてください。返信は、その次です。

焼肉・寿司など、単価の高い店

価格に対する期待が高いぶん、低評価の文が長くなります。 長い口コミには長く返したくなりますが、返信は同じ3〜4行で足ります。

ご来店とご意見、ありがとうございます。
価格に見合うものをお出しできず、残念に思っております。
いただいた点は、仕入れと提供の流れを含めて見直します。

一つひとつに答えないでください。 5つ書かれていても、返すのは全体への1行です。個別に反論を並べると、長さそのものが言い訳になります。

テイクアウト・デリバリー中心の店

配達の遅れや容器の状態は、店の手を離れたところで起きます。 それでも「配達業者の責任です」とは書きません。

ご注文とご意見、ありがとうございます。
届いた状態が良くなく、残念な思いをさせてしまいました。
容器と詰め方を見直してまいります。

自分たちで直せるところ(容器・詰め方)だけを挙げるのが、この業態の返し方です。

返信を続けられる形にして、何を見るか

型が決まっても、続かなければ意味がありません。営業の流れの中に、返信の置き場所を作ってください。

店で決めておく4つ

3つ目が効きます。書いた人には、自分が足した一文が見えません。 「書かない言い回し」の紙と照らして別の人が読むだけで、反論はたいてい止まります。

届いた口コミの一覧。星の分布と、1件ずつの内容が並んでいる

出す前に、口コミの一覧を上から読んでください。1件ずつ見れば自然でも、並ぶと同じ文が10件続いていることが分かります。

見る数字は3つ

飲食店で見る数字は、他の業種と少し違います。

  • 星1・星2に返信するまでの日数 … 長いほど「見ていない店」に見えます
  • 低評価が届いた曜日と時間帯 … 混雑日に偏っているかを見ます
  • 直近3か月の平均評価 … 全期間ではなく、直近だけ

2つ目が飲食店ならではのところです。低評価が金曜と土曜の夜に集まっているなら、それは味の問題ではありません。 その時間帯の人数か、注文の受け方か、提供の順番の問題です。返信を工夫しても動きません。手を入れるのは店側の回し方です。

逆に、曜日にも時間帯にも偏りがなく、味の話だけが散らばっているなら、それは好みの分布です。ここは直すものではありません。返信で受け止めて、そのまま続けてください。

届いた口コミと返信の状況を、月ごとにまとめた画面

3つ目について補足します。全期間の平均は動きません。 開店からの件数が積み上がっているので、いま何をしても数字が変わらず、続ける気持ちが折れます。見るのは直近3か月です。

補足

返信を付けたからといって、星の数が変わるわけではありません。返信が効くのは、これから来る人が読むときです。 投稿した本人が評価を上げ直すことは、あまり起きません。そこを期待して書くと続きません。

古い未返信を全部追う必要もありません。直近3か月から始めてください。 半年前の口コミへの返信は、ほとんど読まれません。

よくある質問

Q. 星5の口コミにも毎回返信すべきですか

はい。3〜4行で足ります。 返信のない口コミが混ざると、そこだけが目立ちます。

Q. 明らかに来ていない人が書いています。返信すべきですか

まず報告を検討してください。消えなかった場合に備えて、短い返信を用意しておきます。 「そのような事実はございません」とは書かず、「店舗までご連絡ください」で止めます。

Q. 味の低評価に「ご意見ありがとうございます」と書くのは、негативに見えませんか

見えません。率直に書いてくれたことへの感謝なので、内容に同意したことにはなりません。 むしろ、読んでいる人には落ち着いた店に見えます。

Q. 店主の名前で返信してもいいですか

飲食店なら構いません。むしろ効く業種です。 ただし、名乗るなら毎回名乗ってください。低評価のときだけ「店主」に変わると、そこが目立ちます。

Q. 常連さんに「口コミ書いておくね」と言われました

書いてもらうこと自体は問題ありません。ただし、星の数を指定したり、見返りを渡したりしないでください。 線引きは口コミ依頼が違反になる境目にまとめてあります。

Q. 外国語の口コミが届きます。どう返しますか

英語なら短く英語で返してください。訳が不安なら、日本語で短く返しても構いません。 長い文を機械翻訳にかけるより、短い文のほうが崩れません。

Q. 同じ人から何度も低評価が届きます

1回目だけ返信し、2回目以降は返信せずに報告を検討してください。やり取りが並ぶと、読む人には言い争いに見えます。

Q. 返信を書き直したいのですが

返信はあとから編集できます。書いてしまった反論に気づいたら、すぐ直してください。 削除して書き直すこともできます。

まとめ

  • 味への低評価は、謝る場所ではなく受ける場所。「合わなかった」ではなく「合わせきれず」
  • 飲食店が他の業種と違うのは3点。味は直せない・混雑が評価を左右する・食の安全が絡む
  • 先に決めるのは、書く人・返信する範囲・書かない言い回し
  • 星5への返信は3〜4行。料理名や場面を1つだけ拾うと、テンプレートに見えない
  • 味の低評価は、感謝→感じ方を受け止める→立ち位置を1行。言い訳は書かない
  • 接客と待ち時間は謝ってよい。ただし混雑を理由に書かない、数字を約束しない
  • 異物・体調不良は、返信の前に店内で確認する。 公開の場で事実を争わない
  • ラーメン店はその場で調整できることを書く、カフェは方針を先に店頭に出す
  • 見る数字は3つ。低評価への返信日数・低評価が届いた曜日と時間帯・直近3か月の平均
  • 低評価が金土の夜に偏っているなら、味ではなく回し方の問題

レビューデスクでは、口調と書かない言い回しを店舗ごとに登録して、届いた口コミからその場で下書きを作る形にしています。下書きまでを速くして、読み返す時間に使ってください。 飲食店の返信は、書けたかどうかではなく、一晩置いて読み返せたかどうかで決まります。

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