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口コミ返信をAI書くときの線引きそのまま出してはいけない5か

口コミへの返信 レビューデスク 渡辺 真也

店舗から、こういう相談が届きます。

口コミの返信をAIに書かせています。手は空くのですが、これで大丈夫なのか分かりません。

先に結論を書きます。AIで書くこと自体は問題になりません。問題になるのは、AIが書いた文をそのまま出したときです。

Googleの方針が見ているのは、返信の中身です。なりすまし、事実と違うこと、個人情報、宣伝。引っかかるのはこの手のものです。何を使って書いたかで線が引かれているわけではありません。

ですが、AIの下書きには、放っておくと必ず入ってしまうものがあります。書かれていない事実、守れない約束、重すぎる謝罪。この3つが代表格です。

この記事では、AIにどこまで任せてよいかを、手順と直しどころに分けて書きます。そのまま出してはいけない5か所まで決めてしまえば、返信は毎回3分で終わります。

口コミ返信をAIで書くのは、規約違反になりませんか

いちばん最初に聞かれるのがここなので、先に片付けます。

Googleの方針で定められているのは、返信に「何が書いてあるか」です。 誰が書いたか、どんな道具を使って書いたかを問う決まりは置かれていません。手で書いた返信も、AIに書かせた返信も、中身が同じなら扱いは同じです。

逆に言えば、AIで書いたから安全になることもありません。 手で書けば問題になる文は、AIに書かせても問題になります。

方針で引っかかるのは、こういう中身です

返信に入っていると危ないもの なぜ危ないか
投稿者の氏名・連絡先・予約番号 個人情報を店側が公開したことになります
「そのような方は来店されていません」 事実の否定です。争いが公開の場に残ります
「詳しくは公式LINEへ」だけの返信 宣伝の場として使っていると読めます
来ていない人が書いた、と決めつける文 断定した瞬間に、店側が事実を主張したことになります
症状名・施術内容・治療の経過 業種によっては、書いた時点で線を越えます

この5つは、AIが勝手に足すことがあります。 特に下の2つは、口コミの本文に書いてあると、AIがそれを丁寧に要約して返信に繰り返してしまいます。書いたのはお客様でも、繰り返したのは店です。

レビューデスク

「お客様が自分で書いたのだから、こちらが繰り返しても同じでは」と思われるところですが、同じではありません。 投稿は本人の判断ですが、返信は店の判断です。店が公開した情報として残ります。

「AIが書いた返信は順位に不利になりますか」

これもよく聞かれます。返信の書き手によって検索の扱いが変わる、という仕組みは確認できていません。 確かめようがないことなので、この記事では扱いません。

代わりに確かなことを書きます。返信を読むのは、次に来ようとしているお客様です。 順位ではなく、この人に向けて書けているかどうかで判断してください。判断の基準がひとつになるので、迷いが減ります。

AIが書いた返信は、どこで見分けられるのか

読む人は「AIだ」とまでは思いません。ただ、何かおかしいとは感じます。感じさせている原因は、だいたい4つです。

AIの返信が浮いて見える、4つの原因

いちばん目立つのは、1つ目です。

口コミの一覧ページでは、返信が縦に並びます。1件ずつ見れば自然でも、並ぶと同じ文が10個続いていることが分かります。 手で書いていたときは書き出しが自然にばらけていたので、この問題は起きませんでした。

届いた口コミの一覧。星の分布と、1件ずつの内容が並んでいる

直し方は、書き出しを1行だけ変えること

全部を書き直す必要はありません。書き出しの1行を、口コミの中身から取ってくるだけで、並べたときの印象が変わります。

(AIの下書き)
この度はご来店いただき誠にありがとうございます。
温かいお言葉をいただき、大変嬉しく思います。

(1行だけ直したもの)
お待たせしてしまったにもかかわらず、そう言っていただけて安心しました。
またお越しいただけるよう、準備を整えてお待ちしております。

直したのは書き出しだけです。お客様が書いた内容から1つ拾って、そこから始めています。 これができていれば、あとの文が定型でも浮きません。

長さは、星の数に合わせてばらす

AIは、指示しなければ同じ長さで返してきます。ですが、星5への返信と星1への返信は、長さが違って当たり前です。

  • 星5・星4 … 2〜3行。短くてよい
  • 星3 … 3〜4行。何が足りなかったかを受け止める
  • 星2・星1 … 3〜5行。ただし言い訳を足さない

低評価ほど長くなりがちですが、長さと誠実さは別です。長い返信は、読む人から見ると弁解に見えます。低評価への返信の型は低評価の口コミへの返信、例文つきにまとめてあります。

口コミ返信をAIに任せる手順は3つに分かれる

やり方を決めずに使うと、毎回プロンプトを書き直すことになります。手間が減らないなら、AIを使う意味がありません。

任せる範囲を、最初に3つに分けてください。

口コミ返信をAIに任せる手順

手順① 口調と署名を先に決める

ここを飛ばすと、毎回ちがう人が書いたような返信が並びます。

決めるのは4つです。

  1. 敬語の重さ(「〜でございます」まで使うか、「〜です」で止めるか)
  2. 一人称(当店・当院・私ども)
  3. 署名(店名だけか、スタッフ名まで入れるか)
  4. 使わない言い回し(「貴重なご意見」「今後の励みに」など、避けたい定型句)

4つ目が効きます。避けたい言い回しを先に書いておくと、AIはそこを使わなくなります。 「貴重なご意見をありがとうございます」が10件続く状態は、これで止まります。

返信のトーンと署名、低評価の通知を設定する画面

レビューデスクでは、この4つを店舗ごとに1回登録しておく形にしています。返信のたびに指示を書かないための仕組みです。口調を変えたくなったら、ここだけ直します。

手順② 口コミごとに下書きを作らせる

下書きを作らせるときに渡すのは、口コミの本文そのものです。「星3の口コミへの返信を書いて」だけでは、中身とつながらない文が出てきます。

渡すのは、この3つで足ります。

  • 口コミの本文(そのまま全部)
  • 星の数
  • 業種(飲食店・美容室・整体・クリニックなど)

来店日や担当者名は渡さないでください。 渡すと、AIはそれを返信に書き込みます。書き込まれた時点で、店が公開した情報になります。

口コミの一覧から、その場で返信案を作成できる画面

手順③ まとめてやらない

もう1つ、続けるための話を書いておきます。返信は、溜めてから一気にやらないでください。

10件まとめて処理すると、判断が雑になります。 1件目は丁寧に直しますが、7件目にはそのまま出しています。AIを使うと処理が速いぶん、この崩れ方が早く来ます。

  • 週に2回、決まった曜日に開く
  • そのとき溜まっているぶんだけやる
  • 低評価が来た日は、それだけ先にやる

返信までの日数は、そこまで急がなくて構いません。 ただし低評価だけは別です。放置している期間が、そのまま「見ていない店」に見えます。

AIの下書きをそのまま出してはいけない5か所

ここがこの記事の本体です。直す場所を5つに固定してください。 全文を読み直すのではなく、この5つだけを見ます。

AIの下書きで、必ず確かめる5か所

1. 書かれていない事実が入っていないか

これがいちばん多い間違いです。

AIは、口コミの内容から自然な文を作ります。その過程で、書かれていないことを補います。

(口コミ)
料理が美味しかったです。また来ます。

(AIの下書き)
先日はランチにご来店いただき、ありがとうございました。
お連れ様とご一緒に楽しんでいただけたようで何よりです。

口コミには「ランチ」とも「連れがいた」とも書かれていません。AIが自然な文にするために足したものです。 読んだ本人は「そんなこと書いていないのに」と思います。

確かめ方は簡単です。返信に出てくる名詞を、口コミの本文から探してください。 見つからない名詞があったら、消します。

2. 守れない約束をしていないか

2番目に多いのがこれです。低評価への返信で必ず出てきます。

気をつけること

「改善いたしました」と過去形で書かないでください。 まだ直していないなら虚偽になり、直したなら次に同じ指摘が来たときに嘘になります。書くなら「確認いたします」までです。

同じ理由で、「次回はサービスさせていただきます」も避けてください。 公開の場で個別の対応を約束すると、それを読んだ人が同じことを求めてきます。断れば、今度はその対応が口コミになります。

(危ない下書き)
ご指摘の点はすでに改善いたしました。
次回ご来店の際は、サービスさせていただきます。

(直したもの)
いただいたご指摘について、店内で確認いたします。
差し支えなければ、お店までご一報いただけますと幸いです。

「確認する」と「直接話したい」の2つで止めてください。 これ以上は書かなくて構いません。

3. 謝罪の重さが、星の数に合っているか

AIは、少しでも不満が書かれていると謝ります。星3や星4の口コミにまで、星1と同じ謝罪が付きます。

(星4の口コミ)
料理は美味しかったです。少し待ちました。

(AIの下書き)
この度はご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

星4を付けた人は、不快だったとは書いていません。そこに全力で謝ると、話が噛み合っていない返信になります。 読む人には、店が動揺しているように見えます。

星4なら、これで足ります。

お待たせしてしまい、失礼いたしました。
そのうえでお料理を気に入っていただけて、うれしく思います。

4. 繰り返してはいけない内容を、拾っていないか

お客様が書いた内容でも、店が繰り返すと問題になるものがあります。

  • 症状、通院歴、治療の経過
  • 施術の内容、部位
  • 家族構成、勤務先、来店の目的

AIは口コミの内容を要約するので、放っておくとこれを全部返信に入れます。 「腰の痛みでお困りとのことでしたが」という一文が入った瞬間に、その人の症状を店が公開したことになります。

受けるときは、内容に触れずに受けてください。

お体の変化を感じていただけたようで、何よりです。

これで伝わります。何の症状だったかを書く必要はありません。

5. 書き出しと締めが、前の9件と同じになっていないか

最後は見た目の問題です。1件ずつ直しても、並べるまで気づけません。

出す前に、口コミの一覧ページを開いて、返信を上から読んでください。 同じ書き出しが3件続いていたら、1件だけ変えます。全部変える必要はありません。

5か所だけを見る

全文を読み直すと時間がかかり、続きません。見るのは5か所だけです。 書かれていない事実、守れない約束、謝罪の重さ、繰り返してはいけない内容、書き出し。慣れると1件2分で終わります。

AIに返信を書かせてはいけない口コミが3つあります

任せてよい範囲を決めたので、任せてはいけない範囲も決めます。3つあります。

1. 事実関係が食い違っている低評価

「予約していたのに席がなかった」「言っていた金額と違った」。こういう口コミです。

AIは、どちらが正しいかを知りません。 知らないまま、もっともらしい文を作ります。その結果、店がまだ確認していないことを認める文や、逆に否定する文が出てきます。

この種類は、手で書いてください。 書くのは2行で足ります。

ご予約の件について、こちらで記録を確認させていただきます。
お手数ですが、お店までご連絡をいただけますでしょうか。
渡辺

代行で入るとき、事実が食い違っている口コミだけは、必ず店舗に確認してから書きます。 予約の記録、その日のシフト、伝票。3つ見ればたいてい分かります。分からないときは「確認します」で止めると決めていて、ここを崩したことはありません。

もう1つ。返信を急いで書いた店舗ほど、あとで直したくなっています。 返信は編集できますが、読んだ人の記憶は編集できません。

2. 方針違反として報告するつもりの口コミ

来店していない人の投稿、まったく別の店の話、誹謗中傷。これは返信の前に報告してください。

返信を書いてから報告しても構いませんが、先に返信を出すと、その内容が公開の記録として残ります。 感情的な一文が混ざっていれば、それも一緒に残ります。

削除の申請で通るものと通らないものの線引きは、Google口コミの削除方法に書いてあります。「気に入らない」では消えません。 そこを分かったうえで、消えなかった場合の返信を用意してください。

3. 医療・健康に関わる内容

クリニック、歯科、整体、接骨院、まつげエクステ。この業種は、AIの下書きをそのまま出さないでください。

理由は2つあります。

1つは、効果を断定する文が出てくるからです。 「必ず良くなります」「効果が出ます」という表現をAIは平気で書きます。

もう1つは、来院の事実そのものが個人情報だからです。 ここは次の章で詳しく書きます。

業種で変わる、AI返信の直しどころ

同じ5か所を見るとしても、引っかかりやすい場所が業種で違います。 自分の業種のところだけ読んでください。

飲食店

いちばん出てくるのは、料理名の取り違えです。口コミに「パスタが美味しかった」と書いてあると、AIは店の看板メニュー名を推測して書きます。出していないメニュー名が返信に入ることがあります。

もう1つは、待ち時間への謝りすぎです。ピーク時に待つのは、ある程度は避けられません。

(直したもの)
混雑する時間に当たってしまい、お待たせいたしました。
ご案内の順番については、店内で見直してまいります。

「二度とお待たせしません」とは書かないでください。 守れません。

美容室・サロン

美容室で最も注意が要るのは、担当者名の扱いです。お客様が名前を書いていても、返信でそれをそのまま繰り返すのは避けてください。「担当者」と受けます。

AIは、口コミに名前があれば必ず使います。手順②で渡す本文から名前を消しておくと、この問題自体が起きません。

髪質や悩みの繰り返しも同じです。「クセ毛でお困りとのことでしたが」は書かなくて伝わります。業種特有の書き方は美容室の口コミ返信の例文にまとめてあります。

整体・接骨院

出てくるのは、効果を断定する文です。

(危ない下書き)
続けていただければ、必ず改善いたします。

(直したもの)
お体の変化を感じていただけたようで、何よりです。
状態を見ながら、無理のない範囲でご案内してまいります。

「必ず」「治ります」「改善します」は消してください。 AIは前向きな文を作ろうとして、この語を選びます。避けたい言い回しとして、手順①の設定に入れておくのが確実です。

クリニック・歯科

ここだけ、他の業種と考え方が変わります。受診したという事実を、店側から肯定しないでください。

(危ない下書き)
この度はご来院いただき、ありがとうございました。

一見ふつうの一文ですが、その人が受診したことを、医療機関の側が認めたことになります。お客様が自分で書いているとしても、施設が公開の場で認めるのは別の話です。

返信するなら、来院を前提にしない形にします。

ご投稿ありがとうございます。
当院についてのご意見として、院内で共有いたします。

素っ気なく見えますが、これで正しいです。 温かみを足そうとすると、必ず来院の事実に触れます。

レビューデスク

「返信しないほうがよいのでは」と考える院もあります。それも1つの判断です。方針を先に決めて、全件同じ扱いにしてください。 良い口コミにだけ返信して低評価を放置する形が、いちばん目立ちます。

よくある質問

Q. AIで返信を書いていることを、お客様に伝えるべきですか

書く必要はありません。返信の中身に店の判断が入っていれば、それは店の返信です。 5か所を直して出しているなら、そのまま出してください。

Q. Googleの管理画面に返信の候補が出ることがあります。使っていいですか

使って構いません。ただし、この記事の5か所は同じように確かめてください。 どこで作られた下書きでも、出すのは店です。

Q. 星5の口コミにも、毎回返信すべきですか

全件返信を勧めています。返信していない口コミが混ざると、そこだけ目立ちます。 星5なら2行で足ります。

Q. 過去に溜まった未返信が50件あります。全部やるべきですか

古いものは無理に追わなくて構いません。直近3か月ぶんから始めてください。 古い口コミの返信は、あまり読まれません。

Q. AIに書かせた返信が、口コミより長くなってしまいます

長さの上限を決めてください。口コミ本文より長い返信は、読み飛ばされます。 星5なら2行、低評価でも5行までで足ります。

Q. 同じ人から何度も低評価が来ます。毎回返信しますか

1回目だけ返信し、2回目以降は返信せずに報告を検討してください。やり取りが並ぶと、読む人には言い争いに見えます。

Q. 返信を出したあとで間違いに気づきました

編集できます。気づいたら直してください。 ただし、通知でメールが届いている場合があります。直したからといって、読まれていないとは限りません。

Q. 英語の口コミが来ました。AIに訳させて返信していいですか

構いません。ただし、日本語で出す内容と同じにしてください。 訳す過程で、日本語では書いていない約束が入ることがあります。

Q. スタッフに任せたいのですが、判断が揃いません

5か所のチェックだけを紙にして渡してください。 判断の基準を渡さずに任せると、人によって返信の重さが変わります。

まとめ

  • AIで書くこと自体は問題になりません。 方針が見ているのは中身です
  • 引っかかるのは、個人情報・事実の否定・宣伝・症状などの内容
  • AIの返信が浮くのは、書き出しが同じ・長さが揃う・中身とつながらない・謝りすぎるの4つ
  • 手順は3つ。口調と署名を先に決める/下書きを作らせる/5か所だけ直す
  • 渡すのは口コミ本文と星の数と業種だけ。来店日と担当者名は渡さない
  • 直すのは書かれていない事実・守れない約束・謝罪の重さ・繰り返してはいけない内容・書き出し
  • AIに任せない口コミは3つ。 事実が食い違うもの、報告するもの、医療に関わるもの
  • クリニック・歯科は、来院の事実を店側から肯定しない
  • 返信は溜めない。週2回、決まった曜日に開く

レビューデスクでは、口調と署名を店舗ごとに登録して、届いた口コミからその場で下書きを作る形にしています。下書きまでを速くして、直す5か所に時間を使ってください。 返信の良し悪しは、直したかどうかで決まります。

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